中文合宿記
佐藤梨伊奈・宮津貴史・林千紘
去る九月十三日、千葉県鴨川にて二泊三日の合宿を行いました。例年なら数十名の参加があるのですが、今年はなんと先生、助手、学生合わせて九名という少なさでした。しかし人数が少ない分、毎年の合宿では楽しめないようなことがたくさんでき、充実した三日間だったと思っています。
今年は人数が少ないため貸し切りバスではなく高速バスを利用しました。待ち合わせの浜松駅で待つものの、時間になっても全然人が集まらず、さすが中文!と思いました。(林)
十時四十分、僕らの希望と一抹の哀しみを乗せて、高速バスアクシー号は東京湾の彼方へと旅立ちました。安房鴨川駅で路線バスに乗り換え、十三時三十分、セミナーハウスに到着した僕たちを迎えてくれたのは、楊・岡崎両先生の慈母が如き眼差しでした。よく来ましたね、人が少ないだけ幸せの分け前は大きいので、僕の愚昧なる脳髄には両氏の声がおのずから響いておりました。
挨拶もそこそこに、まずは岡崎先生激賞の一作、チャウ・シンチー主演・監督による痛快料理コメディ映画「食神」を鑑賞しました。愛と笑いの感動大作に涙した僕たちは、チャーシューへの激しい情欲を持て余しつつ夕食を終え、くんずほぐれつコンパへとなだれ込みました。腰がぎっくりの楊先生による決死の買い出しが功を奏し、宴は終始賑やかなものでした。
二日目の午前、中国語による餃子作りが敢行されました。言語の壁は険しいものなれど、味のかけ橋は東シナ海を渡ります。楊先生の指導の下完成した餃子たち、その出来栄えには中華一番も真っ青、舌鼓が止むことはありませんでした。
午後に予定されていた運動会は諸般の事情により取りやめとなり、僕たちは鴨川シーワールドを見学しました。母なる海の懐の広さ、生命の神秘とアシカの咆哮に思いを馳せ、豊かな知見を得ることができました。二日目の宴では中国語クイズ大会が催され、皆で先を争って頭をこんにゃくにしました。(宮津)
日をまたいでなお、宴会は終わることはありませんでした。楊先生の車に乗せていただいて買いだした紹興酒や日本酒、大量のおつまみと共に、岡崎先生秘蔵の中文恋愛暴露話に誰もが興奮しました。そんな中行った中国語クイズ、大いに盛り上がり全員もれなく景品をゲットしました。頭脳を使って疲れてきた所でお開きとなり、翌朝は朝食後すぐ荷物をまとめ、集合写真を撮影しました。いよいよセミナーハウスとお別れの時、管理人さんが姿が見えなくなるまで手を振って下さったのが印象的でした。
今年度の合宿は一貫して「人数が少ない」ということでしたが、思い思い自由なスタイルの映画鑑賞、作業しない人のない餃子作り、予定変更しての浜辺散歩や水族館鑑賞、濃密な暴露話など、親密で開けた雰囲気の合宿でした。来年もこうして、学科への親睦を深めていってほしいと思います。(佐藤)
(学部三年)