中国留学体験記「中国・韓国の留学を終えて」

中国・韓国の留学を終えて

水上朋奈実

 私は中国・北京大学と韓国・梨花女子大学校にTSAと交換留学制度を利用して1年間ずつ留学しました。同じアジアの国でも全く違う文化や風習は住んでみなければ分からなかった事が多く、振り返ってみれば私の大学生活は常に発見の毎日だったと思います。

 私が北京大学に留学した時の中国は経済発展の真最中でビルや高速道路、地下鉄の建設ラッシュでした。中国の経済成長を実際に肌で感じながら、北京大生の勉強熱心な姿に中国が経済大国になる事を実感させられました。同時に面倒見が良く親切な現地の学生との出会いによって、留学前に持っていた中国への偏見を捨て、中国はどのような国なのかという事を実際に自分の目で確認できたと思います。そして、世界中から集まる留学生に刺激されながら初めて自分のやりたい事を考えさせられた1年でもありました。

 北京大学では中国語を中心に歴史や古文の授業を受けました。寮は学校の近くに隣接し、平日は学校と寮の往復で週末を利用して旅行に出かける事や、中国人の友人と映画館に行く事が多かったです。早稲田から北京に留学している学生の中には在学中に2度留学する人が多く、自分も他の国を知りたいと考え、次の留学を決心しました。

 もともと中高の友人に在日韓国人がいた事もあってハングルは少し読め、韓国の文化に対して興味を持っていました。北京大学で留学していた韓国人の友人の多くが在校生だったこともあり韓国では、梨花女子大学というキリスト教の大学に留学しました。

 女性学と教育学が有名なこの大学では韓国語に加えてフェミニズムについて学びました。現地の学生とのディスカッションは多少怯みながらも、同じアジア人であるにも関わらず社会での女性のあり方が日本と違う事や、学生が今後の韓国の女性像をしっかり持っている事に驚かされました。

  早稲田や北京大学と全く違う雰囲気を持つ同学校での留学生活は、現地の学生からの刺激が多く、勉学以外にも新しい事に挑戦しようという気持ちになりました。 その一つが音楽アプリを開発している会社でのインターンシップです。インターンのほとんどが韓国人学生で夏休みはほぼ毎日彼らと過ごしていました。アプリを宣伝するために、ソウル中の音楽フェスを訪問し必死にアプリの説明をし、時にはカクテルを作り販売したこともありました。

  学校以外のところでも多くの韓国人と交流がもてた事、韓国人の暮らしの中に自分が入れた事は貴重な体験だったと思います。

 私が留学した2つの国は時に「近くて遠い国」のように感じる事もあります。しかし、実際に留学してその国の人に出会えた事で、分かりあえる部分も多くあるのだと気付かされました。中国と韓国は、自分の生活や仕事で深く携わる国である思います。今後も今までの留学経験を活かして偏見なく2つの国と向き合っていければと思います。(学部五年)