中国留学体験記

雑誌に載る

中野英彦

 私は2012年8月から1年間北京大学へ留学をしました。この時期と言えばまさに尖閣問題が激化していた時期。日中関係が緊迫している時期に留学できたことは一生の財産です。

 正直、留学前は中国への印象は良いものではなく、不安ばかりでした。しかし、生活をしていく中でイメージは変わっていきました。百聞は一見に如かず。私のみた“中国”は大半の日本人のもっているイメージとは大きく異なると思います。今では非常にいい国だと感じています。

 留学では、まず言葉の壁にぶつかりました。私はダブルディグリープログラムで留学をしたので、語学の授業はなく、北京大学生と共に中国語で授業を受け、中国語でレポートを書き、中国語でテストを受けるという、まさに“中国人になりきる”留学でした。中国語は高校の頃から学んでいましたが、やはり教科書で学ぶ中国語と実践で使う中国語は全く異なり、最初はなかなか話せず、授業もほとんど分かりませんでした。しかし町でおばちゃんと話したり、友達と遊んだりしていくうちにだんだんと話せるようになっていきました。

 留学を通して感じたことは「人は環境によっていくらでも成長できる」ということです。早稲田の授業で「じゃあ中国語の本1冊読んで、中国語で5000字のレポート書いてきてー。」と言われたら、そんなの無理にきまってる。ありえない。と思うでしょう。でも留学中はこれが当たり前の世界でした。なんとか食らいついていっているうちに環境に適応していき、成長を感じることができました。中国の文化を肌で感じ、留学では本当に貴重な経験を積むことができました。

 「日本の政府は嫌いだけど、お前のことは本当に大好きだ。」これは、帰国直前に韓国人の友達が僕に言ってくれた言葉です。このとき今まで感じたことのないような感覚になりました。国境を超えた友情を感じました。今でも手紙でやりとりをするトンガ人の親友もできました。他にもアメリカ人、フランス人、タジキスタン人、モロッコ人…本当にたくさんの友達ができました。留学をしなければ出会わなかっただろう彼らに出会えたことは本当に宝です。

 友達に留学の感想をきかれると困ることがあります。一言で言えないからです。もう一度留学したいと言うと、そんなに楽しかったんだーと言われます。ただ“楽しかった”からもう一度留学したいのではありません。つらいこと大変なこと全てを含めてトータルで充実していて、留学前には感じることのなかった感覚や意識、本当に貴重な経験をし、“成長できた”からです。本当に密度の濃い1年間で、充実した留学でした。留学前は行くのをやめようかなと考えたことも何度かありましたが、逃げずに留学して良かったと思っています。これだけの大きな機会を与えてくれ両親や先生方、そして留学中支えてくれた友達など様々な方に感謝しています。ありがとうございました。(学部三年)

2014年10月25日 | 学部生エッセイ「留学体験記」 |

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